【GoGo郎’sベストMovie #3】『トゥルーライズ』(1994)篇
GoGo郎’sベストMovieとは
私、GoGo郎がこれまでに鑑賞してきた約8000本の映画の中から「これぞオススメ!」といった名作(独断と偏見に満ちています)を定期的に皆様に紹介してゆくコーナーになります。
また、記事の最後には参考までに採点スコア(100点満点)も付けていますのでよろしくです。
今回ご紹介する作品は、『トゥルーライズ』(1994年)!!
監督:ジェームズ・キャメロン
出演:アーノルド・シュワルツェネッガー、ジェイミー・リー・カーティス、トム・アーノルド
ストーリー
『ターミネーター2』で世界中を席巻したシュワちゃんとジェームズ・キャメロン監督による最強タッグ。トータル興収は約3億8000万ドルを記録するアクションヒット作となった。
シュワルツェネッガーが演じるのはアメリカ大統領直属の国家保安組織「オメガ・セクター」で活躍する超凄腕スパイ、ハリー・タスカー。しかし、一般人である妻と娘にはその正体を隠し続け、単なるコンピューター会社の営業マンとして偽りの日々を過ごす。
だが、ハリーによるスパイと営業マンという強引な“二足のわらじ”生活は、中東テロリストグループ「真紅のジハド」を捜査していく上で、思いもよらない事態へと進展していき、最後には家族を巻き込んだ壮絶な戦いに突入する。
ココがオススメ
GoGo郎’sベストMovieの第3回目にして、早くも著名な有名作品を紹介することになってしまいました。映画通の皆さんであれば、「別にGoGo郎に推薦されなくてもとっくに観てるわ!」といったクレームもあるでしょう。
たしかにJ・キャメロン監督作品で、尚且つシュワルツェネッガーが出ている映画をなぜ今更? と思われるかもしれませんが、それでも紹介したい理由は、この作品が意外にあまり知られていないと肌で感じるからなんです!
世界的にもヒットし、有名なキャストが参加していながら、一般の方々による認知度はそれに見合うものではないと感じます。
あとは、いくら映画通の方々にとっての有名作品だとしても、やはりこのコーナーでは遅かれ早かれ絶対にオススメしたいと思ってました。
この映画の特徴としては、劇中におけるコメディーとシリアスのシーンが絶妙なバランスで構成されており、その相反する空気感をシュワちゃんが完璧に演じ分けているという点。
真剣なトークをしているかと思えば、固い表情のままユーモラスなセリフを発したり、ふざけているかと思いきや急にマジギレしたりと、シュワちゃんによる渾身の顔芸が楽しめます。
とりわけ、アメリカ大統領直属の国際スパイであるハリーが多くの部下と最新鋭の盗聴機器、さらにはヘリコプターまで駆り出して妻の浮気を調査する展開などは、そのくだり全体がある意味コントに近い。。
そして、物語中盤までは単なる冴えないオバハンにしか見えなかったハリーの妻ヘレンですが、ホテルの一室で見せた下着姿のポールダンスは異様なまでにセクシーで、観客を少し複雑な気持ちにさせます(?)
“仏頂面からの卒業”
私が思うに、この映画でシュワちゃんは当時のライバルであるシルベスター・スタローンに大きな差を付けると共に、同じく80年代から90年代のアクション界を盛り上げたブルース・ウィリスへけん制球を送ったように思います。
『ロッキー』や『ランボー』でアクションスターとして不動の座を獲得したスタローンですが、彼の永遠の弱点は劇中のシリアスな空気調を最後まで大きく崩すことができないという点です。
一方のシュワちゃんも『ターミネーター』シリーズでは同じような空気感の"一芸"アクション俳優でしたが、『ツインズ』や『キンダガートン・コップ』などのコメディー映画で新たな才能を発揮し、「シリアスなだけでなく、笑いも取れまっせ」感を確立。スタローンにはないユーモラスな一面も徐々に披露しました。
そんなシュワちゃんを象徴するかのような作品が今回の『トゥルーライズ』であり、続けて出演した96年の『ジングル・オール・ザ・ウェイ』ですね。
これらの映画には、当時までのシュワ作品にはなかった「シリアスとコメディーのハイブリッド」としての良さが存在します。
スタローンが『トゥルーライズ』や『ジングル・オール・ザ・ウェイ』に出演したとしても、シュワちゃんほどの適合性はなかったでしょう。しかし、『ターミネーター』ならスタローンにも出来そうですよね。
ここがスタローンの弱さだと思います。もちろん彼も素晴らしいアクション俳優ですが、シュワルツェネッガーやブルース・ウィリスのような柔軟性や幅のある演技、さらには変わり続ける時代のニーズを満たすことは最後までできなかった。
ブルース・ウィリスは『ダイ・ハード』で堅苦しすぎないマクレーン刑事という親しみのキャラクターを創り上げると、『アルマゲドン』や『シックスセンス』、『キッド』といったイメージを大きく覆す作品に出演し、新たな役どころを開拓。演技派としての側面もアピールすることでシュワちゃんやスタローンが決して到達できないゾーンへと昇華していきました。
スタローンも現在は『エクスペンダブルズ』で第二の春を謳歌していますが、結局はそれも“懐かしのアクション作品”というレッテルを無意識的に貼られてしまっているのが現状です。
少し本筋が逸れてしまったので、話を『トゥルーライズ』に戻しますね。
本作はマジメにシュワちゃんのアクションを観たいファンにとって、決して物語の流れを損なわない程度に「笑い」も散りばめられており、それらが良い意味でのクッション材にすらなっています。
というかアクションとしての演出や規模は凄まじく、シュワ作品の中でもトップクラスのダイナミックさがあります。カーチェイスシーンならアクションの定番ですが、シュワちゃんが馬に乗りながら敵を追うなんてなかなか見れません。しかも馬に乗りながらエレベーターにも乗ります。この辺りがキャメロン監督の際立ったセンスでしょうね。
リアルさを追求するあまり……
長くなりましたが、最後にド派手のアクションシーンについてもひと言追加しておきます。
この映画は後半になればなるほど、アクションシーンの質や規模が加速度的に増大していき、クライマックスにおける戦闘機の銃撃シーンなどは確実にあなたのハートをキャッチするでしょう。
それもそのはず、キャメロン監督はこれらのシーンにリアルさを追求するために本物の攻撃型戦闘機「ハリアーⅡ」をアメリカ海兵隊からレンタルしたそうです。意外にもそのレンタル費用は無料だったものの、バケモノ級に燃料を食うため、たった1時間の使用で200万円もの燃料代がかかったとか。なお、最終的にはこの「ハリアーⅡ」に費やしたお金は総額で6000万円近くに達している。
まぁ、キャメロン監督の特徴というか得意技は、凄まじい金額の巨費をかけて映画を製作して、それを遥かに凌ぐだけの大金を稼ぐというスタイルです。6000万円なんて小銭感覚なんでしょうね。
意外な「脇役」の存在
ちなみに、ラストのタンゴを踊るパーティ会場でシュワちゃん演じるハリーが日本語で知人と挨拶を交わすシーンがありますが、その人物はかつて「週刊プレイボーイ」で記者をしていた軍事批評家の小峯隆生氏です。
彼はジェームズ・キャメロン監督を詳しく取材した最初の日本人であり、『ターミネーター2』でも超脇役でエキストラ出演しています。
どのシーンか分かりますか?
シュワちゃんターミネーターと液体金属ターミネーターが、ジョン・コナーを挟んで初めて対面するというゲームセンターでの重要な場面ですよ。
シュワちゃんと液体金属ターミネーターに挟まれたジョンの手前で、不幸にも銃撃の被害者になってしまう冴えないアジア人男性です。
それにしても小峯さん、キャメロン作品に立て続けに出演するなんてものすごい偉業ですね。。
というわけで、長くなりましたが映画『トゥルーライズ』のスコアは72/100です。
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