GoGo郎のシネマドランカー

これまでに鑑賞してきた約8000本の作品の中からオススメの傑作を厳選!

【GoGo郎’sベストMovie #4】『レッド・ブロンクス』(1995)篇

 

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GoGo郎’sベストMovieとは


わたくし、GoGo郎がこれまでに鑑賞してきた約8000本の映画の中から「これぞオススメ!」といった名作(独断と偏見に満ちています)を定期的に皆様に紹介してゆくコーナーになります。


また、記事の最後には参考までに採点スコア(100点満点)も付けていますのでよろしくです。

 


今回ご紹介する映画は、


『レッド・ブロンクス』(1995年)!!!


監督:スタンリー・トン
出演:ジャッキー・チェン、アニタ・ムイ、フランソワーズ・イップ、トン・ピョウ


「全米初登場1位」を獲得した史上初のアジア映画。

 


こんなお話

 

ジャッキーが演じるのはもちろん腕っ節の優れた香港の刑事クーン。叔父の結婚式に出席するためニューヨークのブロンクスという街を訪れたクーンは、ひょんなことから叔父の経営していたとあるスーパーマーケットで“用心棒”を担うことになるも、そこは暴走族や凶悪なギャングが横行するヤバすぎる街だった……。

 

他の「ジャッキー作品」とココが違う!

 

遂にわたくしGoGo郎の崇拝する教祖でもあるジャッキー・チェン様の作品を紹介できる日が来ました。もちろんこの『レッド・ブロンクス』もジャッキー・マニアを興奮させるたくさんの“刻印”が押されています。


・走るときはガニ股

・椅子と机があればもうそこはジャッキーのステージ

・なぜか美人にモテるジャッキー

・安定の「ゴールデン・ハーベスト」配給と、お決まりのキャスト陣

 

マニアにはヨダレ級のツボは押さえつつ、でも、今までとはひと味違う!


この作品はあらゆる要素において、洗練されています。


しっかりと「ちゃんとした映画っぽく」作られているんですよ。というのも、これはジャッキー映画の良さでもあるんですが、彼の作品は基本的に話の流れもストーリーもテンプレート型で、キャストもほぼ固定。「アクションに専念してもらう」というポリシーなので、それ以外の飾りにはあまり力を入れず、編集、撮影、脚本なんかもどこか古き良きB級感が漂います。


でも『レッド・ブロンクス』はオシャレで本格的なアクション映画。わたくしGoGo郎的に最もそれを感じたのが、ハイレベルなヒロインのルックスです。


フランソワーズ・イップという中国、フランス、カナダの血が入った女優さんがヒロインを務めてますが、この方が「ジャッキー映画史上最強」といっても過言じゃないくらいの超絶美女。

 

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本作でヒロイン役を務めたフランソワーズ・イップ 「kiaikick.com」より引用


失礼を承知で断言してしまうと、これまでのジャッキー映画に出てくるヒロインの方々は割と「………。」な感じでした。もちろん香港では人気のトップ女優さんなんでしょうが、今回のフランソワーズ・イップに関しては完全に“グローバルな美人”を選んで、世界制覇を目指すという強い意気込みが伝わるほどのハイレベルな方です。


当然ながら、製作者サイドがこれまでのジャッキー映画とは異なるアプローチで攻めたことには理由があります。


というのも、この作品は香港、日本だけじゃなくてハリウッドでのヒットを優先的に想定して作られた映画なんです。1995年の時点でジャッキーは『キャノン・ボール』や『バトルクリーク・ブロー』なんかで一応ハリウッド進出を狙ってたんですが、どれもパッとせず、アメリカ人がジャッキーを好きになったのはこの『レッド・ブロンクス』のヒットがキッカケです。

 

全米を席巻したジャッキー

 

10億円前後の製作費ながら全米で初登場No.1という快挙を達成し、最終的には興行収入約68億円を記録する当時のアジア映画としては異例の大ヒット。香港にはこんな武術の達人がおるんか! ということで全米で“ジャッキー・センセーショナル”が巻き起こります。


当時、映画館で同作を鑑賞し終えた客が「アチョーー!」とか言いながらカンフーの動きを真似してる姿も話題となり、最後には米の著名な情報誌「TIME」の表紙を飾るまでにジャッキーの人気が急騰。


目の肥えたアメリカの映画ファンも、アーノルド・シュワルツェネッガーやシルベスター・スタローン、トム・クルーズなんかとはひと味違ったオーラを放つ新たなアクションスターの台頭を喜んだことでしょう。

 

ストーリー性とアクション性の両立

 

これはジャッキー・チェンだけに限った話ではなく、ジャン・クロード・ヴァンダムやスティーブン・セガール、ドルフ・ラングレンなんかの本格武術派の俳優に頻繁に見られる傾向なんですが、「自分のやりたいアクション芸」を披露してるだけの単調な作品になりがちなところがあります。


「俺はこんな後ろ回し蹴りができるんだぜ」


とか


「俺はここから向こうにジャンプできまっせ」


みたいな主張が前面に出過ぎて、ストーリーとか脚本はそれらのアクションシーンを目立たせる為に構成されてしまいます。


もちろん彼らは“アクション俳優”なんでそれが普通ですし、観客もそれを求めますが、なかなか興行面の成功や映画としての評価には繋がりにくくなるのも事実です。


『レッド・ブロンクス』はそういった辺りを非常に気を付けながら作られた印象がありますね。

 

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理にかなったアクション展開に

 

例えば、劇中序盤にはジャッキー演じる刑事クーンが暴走族グループに襲われ、ガラス瓶をひたすら投げつけられるひと幕があるんですが、そこでは珍しくジャッキーが成す術なく血だらけになります。


素手で戦わずに卑怯な手でジャッキーを懲らしめる痛々しいシーンは、男気溢れる武術派ジャッキーの作品にはあまり似つかわしくないものの、このシーンを挟むことで、異国からニューヨークという街にやってきた男の孤独さや、凶悪な暴走族との対立構造がしっかりと堅まり、観客の主人公に対する同情や共鳴を誘うことができます。


ハリウッド映画はひたすらドンパチやってるだけの大味な作品が多いと揶揄されがちですが、観客の感情移入を可能にする為のスムーズなシナリオ作りに対する配慮は要求されますからね。


そういった最低限の配慮というか、しかるべきハリウッド作品への“歩み寄り”が適度に感じられて、なおかつジャッキー作品の良さやDNAもしっかりと組み込まれている。


ここが『レッド・ブロンクス』の最大の特徴かと思いますね。

 

圧巻のバトルシーン

 

ジャッキーからしたらアメリケーヌたちに自分の良さを最大限に発揮する千載一遇のチャンスなわけですよ。当然、劇中では人間業とは思えないとんでもないレベルの離れ業がオンパレードっす。


中でも特筆すべきは、クーン刑事が単独で暴走族の入り浸るゲームセンターへ乗り込むシーンでしょうな。ここで彼は、ガラス瓶で血だらけの重傷を負わされたリベンジを果たすんですが、おおよそ1人vs50人ほどの戦国無双バトルがスタートしやす。


「ハイ、次の方っ!」「ハイ、次の方っ!」と言わんばかりに次から次へと暴走族グループを片っ端からコテンパンに淘汰していく一連の流れは、唖然とさせられます。


映画を観終わったアメリカ人の中には「母ちゃん、オラもカンフーやりたい!」とかいう少年が何人か居てもおかしくないレベル。あのシーンを観せられたらそりゃあ“ジャッキー・ブーム”は起こりますわな。


ハリウッド映画における武器や凶器といえば、ナイフやバットでしょうが、この作品ではそれが冷蔵庫やショッピングカート、スキーの板、さらには「それ何?」って感じの日用品です。


アメリカ人にとっては、ああいうアクション芸は衝撃的だったと思いますよ。


長くなりましたが、まだご覧になったことの無い方は、是非ともその肉眼で“ハリウッド版ジャッキー”をお楽しみください。

 


というわけで、


映画『レッド・ブロンクス』のスコアは65/100です。

 

 

 

 

 

 

 

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